奈良県橿原市入鹿神社 全国で唯一蘇我入鹿を祀った神社
橿原市周辺は飛鳥時代の豪族蘇我氏ゆかりの地であり、今も「蘇我」・「曽我」といった地名が残っています。
その橿原市小綱にある入鹿神社は、大化の改新で知られる中大兄皇子と中臣鎌足らによる乙巳(いっし)の変で暗殺された蘇我入鹿の首を祀った神社で、蘇我入鹿を神様として祀る神社は、全国でもこの神社だけだそうです。
首をはねられたということで、昔から首から上の病に霊験あらたかな神として信仰があるとか。
神社にあったパンフレットによると、明治政府から橿原神宮造営にあたり、神武天皇を祀る橿原神宮近くに逆臣である蘇我入鹿を神として祀るのは都合が悪いとして、祭神を素戔嗚尊に、社名を地名からとった「小綱神社」に改名するよう言われましたが、地元住民は拒否して社名と御祭神を守ったそうです。
歴史の教科書では悪逆非道な人物として登場しますが、地元では英雄として親しまれているようです。
踏切を渡って道をまっすぐ進んで、飛鳥川にかかる橋を渡ります。
突き当りを左へ行くと案内看板がありますので、看板が差す矢印の方向へ進めば到着です。
閑静な住宅地の中にひっそりと佇んでいました。
まずは拝殿で参拝します。
扉にある覗き穴から中を窺うことができるようです。
写真もOKでした。
入鹿像のレプリカ。
何と、本殿にも行けるそうです!
しかも撮影まで出来るとは!
本殿。
造営は江戸時代初期とされ、1986年老朽化に伴い解体修理されました。
中央の蛙股肘木の中には彫刻が施されています。
造りは一間社春日造・檜皮葺。本殿は西向きとなっており、廃寺となった普賢寺の鎮守社であったことを偲ばせています。
境内に建つ正連寺大日堂(元普賢寺)。
こちらも覗き穴から堂内を窺えます。堂内には鎌倉時代の作とされる大日如来像や肖像品が多数安置されていました。
神社もきれいに管理されていて、地元の人達から親しまれているのが感じられました。
駅からも近いので一度訪れてみてはいかがでしょうか。
入鹿神社へのアクセス