秩父の奇祭、猪鼻甘酒まつりに行ってきました
秩父の奇祭「猪鼻の甘酒まつり」とは
秩父市荒川白久猪ノ鼻地区の鎮守である熊野神社夏祭りの付け行事で、毎年7月第4日曜日に行なわれます。
天平8年(736年)に疫病が流行したとき、日本武尊が東征の折、大猪に化した山賊を退治したお礼に濁り酒を献上した故事にならい、疫病流しを祈願して甘酒を裸でかけあったのが始まりだそうです。
この甘酒にかかると、無病息災の御利益に授かれるそうです。
ネットやブログで調べてみたら、行事の参加者はふんどし一丁で甘酒をかけあうということだそうで、いったいどのようなお祭りなのか見に行ってみました。
7月22日(日)、秩父鉄道に乗って終点「三峰口駅」を目指しました。
改札を出て右へ進んで行きます。
次に、荒川にかかる白川橋を渡ります。
橋からの眺め。
橋を渡ったら、彩甲斐街道を甲府方面へ進みます。
約10分程歩き、荒川郵便局の手前を渡ると熊野神社がありました。
横断歩道や信号機がありませんので、車やバイクに注意して横断してください。
階段はけっこうな急勾配。
階段の幅が昔の人の体格に合わせた造りなのか、大変登りずらったです。
熊野神社の境内。
まだ午前10時前。甘酒まつりは午後1時からなので見学者は少ない。
境内を散策してみました。
水が張られたプールにはたくさんの桶が積み上げられています。
プールの傍には大きな樽がありました。
中には、祭りで使用される麦と麹を発酵させてつくった甘酒が入っています。
独特の臭いが漂っていました。
無料でいただくことができますので、試しに飲んでみることに。
感想は…
う~む、飲めないことはないが、酸味が強い。
甘酒の番をしているお婆さんにお代わりをすすめられましたが、二杯目はちょっと…。
午前10時、厳かに祭礼が始まりました。
花火が打ち上げられ、社殿では、宮司や神職さん、氏子さんらによって祭礼が開始されました。
祭礼の終盤は、社殿内で君が代を斉唱。
祭礼後は、甘酒まつりの行事に参加する方々と関係者が一緒に食事をします。
ふんどしへの着替えを公開!
そして、甘酒まつりが始まったー!
食事が済んでしばらくすると、見物人がいっせいに建物へ集まり、カメラで中を撮っている。
いったい何が始まったのか。おっさんも近寄って見てみると、
ええっ!?これを撮るんかいっ!
何と、ふんどしへの着替えでした。
着替えを終え、ふんどし一丁になった男たちが続々と出てきました。
時間になり、甘酒まつりを告げる天狗さんが登場しました。
ここでハプニングが!
片方の下駄の歯が取れてしまいました!
仕方がないので足袋で。
刀を大きく左右に振りながら宮司さんたちを先導する天狗さん。
甘酒に祝詞が奏上されます。
行事を仕切る人の「始めて下さい」の合図で、男たちが次々と桶に汲んだ水を樽に運んできます。
甘酒をひたすら掛け合う男たち。見学者は飛沫に注意!
そして、ついに始まりましたよ。
甘酒の黄色い液体が勢いよく、飛びます!
笑いと歓声、悲鳴があがる。
境内は狭いので、飛沫が飛んでこない安全な場所はほとんどありません。
甘酒を掛け合う皆さん、とっても楽しそう。
特に建物付近は、甘酒を掛け合う場所から近いのでけっこう飛んできます。
地面もご覧の通りびしょびしょ。
気づいたら足元が濡れていたりします。
終盤、空になった樽を転がします。
プールに運ぶようですが、わざと反対方向に転がすボケを。
「そっちじゃない!」というツッコミと、樽を転がす男たちに向かってたくさんの水が飛んできます。
最後は、樽をプールに投げ入れて終了。なんとも荒々しい。
お疲れ様でした。
行事が無事終了したことを神様に報告。
報告が終わると、いっせいに急階段を降りていきました。
この後、皆さんで後片付けをします。
社殿や神楽殿もあっという間に日常の装いに。
日中は暑くて待っているのがシンドかったですが、お祭りが始まると暑さを忘れるほど夢中で見てしまい、大変楽しめました。
当日、初穂料三千円納めれば「甘酒まつり」に参加できるとのこと。
来年は、掛け合う側で参加したいと思います。
見学する際は、熱中症に十分注意してください。あと、甘酒の飛沫がかかりますのでタオルは必需品ですよ。
ご覧いただき、ありがとうございました。