秩父今宮神社 埼玉県秩父市
秩父霊場発祥の地、秩父今宮神社へ
秩父神社川瀬祭りが行なわれた7月20日、今宮神社をお参りしました。
境内に入ると観音像が目に入ってきました。案内板を読むと「龍上観音」と書いてありました。
龍神に乗った観音菩薩像。救いを求める相手によって姿を変え、慈悲と知恵で苦しみを取り除いてくれたうえに、さらに幸運をもたらしてくれる観音様だそうです。
そして、隣りある池は「龍神池」。武甲山の伏流水が湧き出ている秩父最古の泉。
神社からいただいたパンフレットによると、毎年4月4日に行なわれる水分祭(みまくりさい)で、この水を秩父神社に授与しているそうです。
なるほど、秩父神社の祭典を調べてみると同日、御田植祭がある。この水によって育った稲が、秋に無事収穫されたことを感謝するお祭り、そしてこの水を再び武甲山に戻すお祭りが、12月3日の秩父神社の例大祭である「秩父夜祭」なのだそうです。
知らなかった。お祭りの本来の意味を知ると大変奥深いですね。
さて、境内を進んでいくと「龍神木」と呼ばれる巨大な欅があります。昔は「洞木」と呼ばれており、木の中にある空洞は龍の棲家であると伝えられていました。
「洞木」から「龍神木」になった由来ですが、社誌によると平成3年12月30日1時30分、元旦祭の準備で数名の氏子たちが社殿を清掃していたとき、奉安していた龍の彫り物の御神体がにわかに動き出し、周囲に突風が舞い降りました。
風は竜巻となって大空に駆けのぼり、やがて、境内の大欅の空洞の辺りに消えたそうです。
その不思議な現象を目の当たりにした宮司と氏子たちは、御祭神である八大龍王神が歓喜を顕わしてくれたに違いないと思い、このことを記録に残したとあります。
それから、この大欅を「龍神木」と呼ぶようになったそうです。
太い幹の樹洞には、龍王のお姿が顕れているそうです。
わたくしの先に来ていた人が手水舎から龍神木を撮影していたので、そのアングルを真似して撮影してみました。
龍王と龍の像。うん、神秘的でかっこいい!
樹齢は約1000年。ここまで枝が伸びると負担がすごいのでしょうか。鉄製の柱で枝を支えています。
境内には、「清龍の滝」という小さな滝がありました。水が澄んでいて、とてもきれいでした。
手水舎の水も、大変きれいでしたよ。
「清龍の滝」の上にある馬頭観音。
奥には今宮神社の本殿があります。
前身は、長岳山正覚院金剛寺・大宮山満光寺というお寺。古くからこの地には伊邪奈岐大神・伊邪奈美大神が祀られていましたが、大宝年間に役行者(役小角)がこの地に飛来して八大龍王を合祀し、修験の教えを広めました。
さらには、西暦825年には弘法大師まで訪れています。
江戸時代になると組下四十九寺を結集して秩父霊地の発展に努め、元禄14年(西暦1701年)、江戸ー秩父間の交通要路を拡き、秩父三十四札所の紹介と発展に貢献したそうです。
境内の一角には、秩父霊場の開祖である役行者を祀ったお堂があります。
「水分祭」見たくなってしまいました。興味を持たれた方は、ぜひ訪れてみて下さい。
秩父今宮神社へのアクセス